私は小学生の頃、月1回くらいのペースで学校をお休みしていました。
扁桃腺炎に罹って、本格的に発熱しフーフーしているときもありましたが、2回に1回は仮病だったような気がします。休みたくなる日のシチュエーションはだいたい決まっていました。目覚めて窓の外を見たときに、どんよりと曇った空が広がり、まるで夕方のような朝。こんな朝は、じわじわと気が滅入ってきて「行きたくない、行きたくない…」と心の中で10回くらい唱えているうちに徐々に体温が上昇して37℃前後の微熱になるのでした。(本当に体温が上がるので、水銀の体温計をシーツにこすって、温度を上げる必殺技は必要ありませんでした)
母に微熱があること告げると「じゃあ、今日はお休みにするか」と答えが返ってきます。その答えに内心ガッツポーズしているのですが、仮病がバレるといけないので、敢えてゆっくり頷いてトボトボと布団まで戻っていきました。しばらくは人の顔のように見える天井の木目や染みをぼんやり眺めていた記憶があります。
なぜあんなに学校に行きたくなかったんだろう?
友人たちとトラブルを抱えていたわけではありませんでしたし、先生が嫌いだったわけでもありません。ただひとつ挙げるとしたら、良い子キャラを演じることに疲れていたのかも知れません。周りの期待を裏切ってはいけないというモヤモヤから逃避し、リセットするためのシェルターに私は逃げ込んでいたように思えます。
自分が子供を持つ親になって、子供に対して知らず知らずプレッシャーを掛けていることに気付きます。褒めることはいいことだと言われていますが、それが「失敗しちゃダメ」というバイアスにつながっている可能性もあるのです。
子供達だけでなく後輩やチームの仲間に対しても同じです。チャレンジして失敗することに対して、ポジティブに笑って受け入れることができる寛容さが必要です。家庭でも会社でも「心理的安全性」が確保された状態。つまり、チャレンジに対するセーフティネットが必要だということ。シェルターに入らなくて済むように、セーフティネットを準備しましょう。