僕らはいつも自分の欠点に思い悩む。
もし欠点を克服できたならどんなに幸せかと。
ここに一冊の絵本がある。「The Missing Piece」Shel Silverstein著、邦題「ぼくを探しに」)
主人公が自分に欠けているピースを探しに、ゴロゴロと転がりながら鼻唄まじりに旅に出るおはなし。でも、お目当てのピースは中々見つからない。様々なトラブルにも見舞われるけれど、花の匂いを楽しんだり、虫たちと戯れたり、彼の旅はとても充実している。
そんな彼がついにピッタリのピースを見つける。彼は喜んでそのピースと合体!完全に丸くなった身体はスムーズに転がりはじめるけれど…。その時、彼ははたと気付く。不完全な時に楽しむことが出来た花の匂いや虫たちとの時間が失われてしまったことを。
完全無欠の万能な人間になることは幸せなことだろうか?僕らは欠点があるからこそ、それを克服しようとしたり、別の長所で補おうとしたり、日々悪戦苦闘する。
視点を変えれば、僕らの欠点もそれほど悪くないのかも知れない。