UNISON

UNISON EXHIBITION 2022

4月から各地ではじまりました、2022年度ユニソン展示会へのご来場、誠にありがとうございました。ユニソンブースでは、今もこれからもソトで過ごすことの楽しさを提案しつつ、これからの暮らしに寄り添うアイデアが詰まった2つのシーンを展示しました。
実際の写真とともに、随所に散りばめられたポイントをご紹介。
SCENE A

玄関ポーチには
大判ステップを大胆に。

ビオストーン/プレート(オーシャングレー)の大判サイズ1200×600を大胆に玄関ポーチとステップとして使用。重厚な存在感と、植栽とも調和する火山岩の自然なテクスチャーがファサードをより上質なものにします。
ステップの蹴上は100㎜、と一般的な蹴上寸法より低く設計することでステップ全体の勾配がゆるやかに。またステップを壁面と接することなくレイアウトすることで、ステージのように浮きあがり、その存在を際立てます。存在感を持ち合わせつつもまちとゆるやかにつないで住まいにいざなう、シンボリックな存在になりました。

中間色で構成された空間は、
ブラックで引き締める。

ステップ横や高木の足元、アプローチのラインには、黒い火山岩であるワズロック(コッコウ)、サザレ(黒孔)を配置。グレー系の舗装材を多く組み合わせると、全体の雰囲気をやわらかくしつつも、少しぼんやりとした印象に。そこへ、ワズロック(コッコウ)、サザレ(黒孔)の黒が要所に入ることで空間が引き締まり、全体をまとまった印象にします。また、ステップまわりにも配置することで、陰影が濃くなりステップをより浮き立たせ、象徴的に見せることにも一役買っています。
濃色の石や砂利を使うことで、空間にアクセントを加えたり、スタイリッシュに見せるだけではなく、植物を入れるよりも日々のお手入れの軽減に。

進む先にはアイキャッチを。

ステップを上がった奥には、目をひくパイルストーン平型(ボルカノブラック)の壁。特徴的なテクスチャーの面白さに目が留まり、玄関に向かう際のアイキャッチに。進む先にアイキャッチを設けることは、その存在に引き寄せられるように誘導されるという効果をもたらします。
壁のサイドにはウワミズザクラ、ナツロウバイといった背が高めな樹木を。玄関の正面に植栽を配置することで、外との境界を曖昧にします。
また、花が咲く時期が違う木を植えることで、それぞれの時期での楽しみが生まれます。

宅配ボックスであることを感じさせない、
美しい機能門柱。

宅配ボックス付き機能門柱のミース(ブラック)。機能を側面に集約しているため、正面からは生活感を感じさせません。このすっきりとした佇まいはファサードのグレードをも高めてくれます。
その存在を少しでもやわらげるためにミースより背の高いモミジを近くに植樹。ミースの存在を目立ちすぎないようにする効果が。
建物や塀などの構造物と近づけて配置することも存在感を落ち着かせるポイントです。

異素材のスパイスを効かせたアプローチ。

天然石のワズストーン(ミヤマ)と、天然石のような表情をもつコンクリート製のカッシア(エイジグレー)を組み合わせたアプローチ。
アプローチをすべてコンクリート製で敷設するのもひとつですが、ライン使いで天然石が入るだけでも上質感がぐっと増します。
ワズストーンのミヤマはグレーの中にグリーンが混ざった色味をもち、カッシアのエイジグレーもムラ感のある色味が特徴。色味を揃えた異素材での組み合わせは、同じ色でも色幅が広がります。同色の中で広がる色幅は自然物や植栽とのなじみがよく、空間をまとめます。

表情豊かで趣きのある壁。

高さの違う壁を組み合わせて奥行感を出し、素材の違いが表情の豊かさを演出。コンクリート製のハーディウォール450(セピアグレー)、天然石張材のパイルストーン平型(ボルカノブラック)、共に個性的な表情ながらも、色のトーンを合わせた組み合わせは意外と親和性があります。植栽スペースを設けた低い壁の笠木にはあえて舗装材のビオストーン/プレート(ポルカグレー)の600×300を。奥行が300㎜あると郵便物を確認するときや、植物の世話をするときにちょっとした手荷物を置くことなどに使えます。他にも、プランターを置いて季節の植物を植える、ランタンを置いて癒しのひとときを過ごすなど、暮らし方に合わせた使い方が広がります。

Planning by・・・

STUDIO VODA

井上 裕美子さん

北海道小樽市 yu.voda@gmail.com
<プロフィール>
造園・エクステリアデザイナー
嵯峨美術短期大学インテリアデザイン科 卒業
店舗設計に従事後、自宅の庭づくりをきっかけに豊かな暮らし、
生活や楽しみの場としての庭をつくり広めたいと思い、1994年から造園会社に勤務。
2001年STUDIO VODA設立。
九州から北海道までの、個人の住宅・商業施設の造園・外構設計・装飾植栽、分譲住宅の街並みデザインを手掛ける。
大阪府出身、2009年より北海道在住

2024.4.1更新

SCENE B

重心を下げて、
落ち着いた空間に。

ヴィンテージレンガスリム(クールミックス)とシダープレート(ラフグレー)を組み合わせた囲炉裏テーブルとベンチが中庭でのひとときを身近にします。テーブル高さを460㎜と、低めにすることで視界が広がり、空間も広く見える効果が。また畳や床に座ったときのような視線に近づき、くつろぎや安堵感をもたらします。
ベンチ裏はタウラN150W(グレー)の壁でしっかり目隠し。高さがある壁をつくるには、控え壁を設ける必要がありますが、控え壁を利用して、ベンチの背もたれとテーブルとしても使えるささやかなスペースと小さな植栽帯を設けました。このわずかな空間があるだけで、壁の圧迫感がずいぶん和らぎます。
境界側にも控え壁を設けたときにできるスペースを有効利用し、壁よりも高い樹を入れます。そうすることで、建物からセカンドリビングに出た時に見える景色が奥に広がっているように見え、実際の敷地よりも広さを感じさせます。
控え壁によって生まれるスペースは、デザインの一部に取り込めると空間を広く見せることが可能に。

日差しを遮れば、
中庭もリビングに。

光に誘われてソトに出たとき、テンデタープ トライアングルS(シャンパン)が強い日差しを遮ってくれることで、庭での時間をゆったりと過ごせます。またタープだけでなく高木を配置すると、直線で構成された空間に柔らかさと穏やかな空気を送り込みます。木漏れ日や風に誘われ思わずソトに出てしまう空間に。

育てる楽しみ、
食べる楽しみを身近に。

庭に菜園があると、手入れや収穫が楽しみでソトに出たくなります。ヴィンテージレンガ(クールミックス)でつくった菜園スペースにシダープレート(ラフグレー)で園路を設けてあげると、菜園スペースを仕切るだけでなく、作業する時の足場にも。野菜や植物の近くで、楽に作業をすることができます。
また、囲炉裏テーブル、ベンチ、菜園と同じ素材を使っているので、全体が統一感のあるデザインに。そんな空間で、収穫した野菜を楽しむ時間はきっと幸せで豊かなのではないでしょうか。
菜園の周りを囲むフェンスはブライド(ステン)。特徴的なパンチング加工をされたパネルは、外からの視線をゆるやかにさえぎりながらも、光や風は通すので、植物や野菜の成長の助けにもなります。

斜めにレイアウト、
余白で遊ぶ。

連続フェンス塀は通常、境界に対して平行に配置することが多いところ、あえて斜めに配置。斜めに配置して生まれたスペースに高木を植えました。それによって、奥行感や広がり、そして動きを感じさせます。
「まち」側に緑がはいることで、まちを豊かにするだけでなく、近くに暮らす人との会話が生まれるきっかけになり、そこでの暮らしやすさにつながっていきます。
フェンス塀のブロックとして使用したのはタウラN150W(グレー)。JISと日本建築学会規準に適合した安心・安全なブロックなだけでなく、ランダムな文様が植栽の陰とも重なり合います。

お手入れ簡単。
まるで天然石のようなコンクリート舗装材。

テラスの舗装面にはリビオ[ai]プラス60(ブライトブラック・ブライトシルバー)を使用。新技術マジカルテクトにより、汚れが付着しにくく、お手入れが簡単。食事のときに付きやすい汚れも気にすることなく過ごすことができます。また、しっとりとした深みのある色合いで、天然石のような自然な表情が気品漂う空間にします。

手を洗う?水まき用?
使い方に合わせた立水栓。

中庭で過ごすには用途に合わせた立水栓を設ける事もとても大切です。
庭での手洗いにはガーデンシンクスプレ(シルバー)。一般的な立水栓と比べて高さがあるので、屈まず立ったまま手を洗うことができます。スリムでシンプルなデザインだから好きな場所に設置しやすく、空間にとけこみやすいのもポイントです。
また、植栽に水をあげるためにはフィーノスタンドⅡ ミニ(ブラウン)。ホース用蛇口が360°回転するので、ホースが絡まることなく広く使えて便利です。

Planning by・・・

STUDIO VODA

井上 裕美子さん

北海道小樽市 yu.voda@gmail.com
<プロフィール>
造園・エクステリアデザイナー
嵯峨美術短期大学インテリアデザイン科 卒業
店舗設計に従事後、自宅の庭づくりをきっかけに豊かな暮らし、
生活や楽しみの場としての庭をつくり広めたいと思い、1994年から造園会社に勤務。
2001年STUDIO VODA設立。
九州から北海道までの、個人の住宅・商業施設の造園・外構設計・装飾植栽、分譲住宅の街並みデザインを手掛ける。
大阪府出身、2009年より北海道在住