造園家・荻野氏より

五感で感じる盲導ガーデンという特徴的なテーマに惹かれました。花壇の高さや床材への工夫は伝わってきましたが、五感で感じるとはどんな庭か、良いテーマだった故にもう少し突き詰めたデザインを見てみたかったです。園芸療法というのは医療・福祉の世界では盛んに言われており、実際に植物に触れることで様々な効果が期待できると言われています。私たちが普段提案しているものとは違ったアプローチの庭ですが、緑や庭の可能性を非常に感じられました。

2年前に突然全く目が見えなくなった奥様のために、安心して自由に使えるガーデンのご提案です。ご提案するにあたり、目の見えない感覚を自身で感じるため、事務所で目隠しをして行動を確認すると、自身の位置や方向が確認できず、移動する最初の一歩の怖さを感じました。ここが、ポイントと想定し、土地の斜面をあえて生かし、床材を工夫して自分がどこにいるのかが確認できるガーデンを計画しました。 受賞にあたり、ご提案の工夫などを評価していただけたことに感謝しております。