UNISON

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2018年入賞作品

ファサードガーデン

優秀賞

評価ポイント

造園家・荻野氏より

造園家・荻野氏より

リフォームにあたって、景石や樹木のデザインだけでなく、土中の通気と水脈の改善を図っているように、目に見えない土台の部分までデザインされている点が素晴らしいと感じた。また、現場で出てくる石や枝などを再利用している点にとても共感させられる。
植栽計画において、それぞれ場所の特徴を捉え、適した樹木を配している。植物にとって快適な環境は、人にとっても心地よい空間になる。この庭の施主は身近に自然を感じながら、豊かな暮らしをしているのだろうと容易に想像できる。

応募者の声

この度は、栄えある賞をいただきありがとうございます。
今回の庭づくりは、古い建物を解体してガレージを新設することで生まれたスペースを含め、元々あった純和風の庭を改修するご依頼でした。
お客様へヒヤリングをしていく中で、暮らしの中に自然の四季を感じる雑木の庭をご紹介。たくさんの木立に包まれた空間を創ることで生活環境を改善し、心地よさを感じながら暮らしの質を高められることをお話ししました。実際にそうした庭づくりをされているOBのお客様の庭を数か所ご案内してオーナー様の感想や暮らし方の変化などを直接伺うことで、こうした庭の心地よさと、環境づくりで暮らしの質が変わることをご理解いただき、庭づくりのすべてをお任せいただきました。
広い庭ゆえの水はけの悪さを改善するため、地形に起伏を設け浸透桝を設けるなど地表・地中ともにストレスのない水の流れを作りました。屋根に降り注いだ雨もすべて土中に還元することで、庭に程よい湿度を保つ土壌環境をつくるなど、完成後目には見えない部分をポイントとして構築。木や植物、住まう人にとっても快適な環境を形成したうえで、自信をもって100本を超える木々を植え、木陰と日向の気温差で生じる空気の流れ(微気候)をつくり、庭に流れる緑風も意識して計画しました。
また、広い庭を回遊する園路も、人の動線に触れる部分の木や植物はコントロールのしやすい成長の遅いものを植え、管理の容易さも考慮しています。
発生材となった元からあった景石や石造構造物、水の流れに見立てたレンガのアプローチも、豊かな緑からなる木陰の景色に名脇役として溶け込んでいます。
あとは、時間の経過とともに成長しさらに濃い影を落とす木々を見守りながら、お客様とともに魅力ある庭に育てていきたいと思います。
今回いただいた賞を励みとして、ますます精進してまいります。
この度はありがとうございました。