建築家・伊礼氏より

望ましい外構のデザインは建築（建物）と造園とのマリアージュであり、それが街へも寄与しているかどうかだと思います。この作品はまず、建築の質の高さが目に止まりました。道路側にも樹木が1本あるだけで２階リビングの窓から奥行きのある緑を感じ、よりよくなっただろうと思います。

この度は、『住まいと暮らし部門』の『優秀賞』を授与していただき、ありがとうございます。
福光の家は、住宅街の分譲地に計画したガレージ付の2 F 建て住宅です。
4層構成のスキップフロア・かつ回遊性をもたせた構成としています。
分譲地の特性上、今後、隣接してくるであろう住戸、そして、隣接する集合住宅の駐車場 (一日を通じて、人の往来が少なくない)を考慮し、ダイニングを 1.5 階・リビングを 2 階 へ配置しました。
地面との距離が離れてしまうため、植樹や開口のあり方を工夫して、少しでも屋外空間との距離を縮めることに重きをおいて設計を行いました。
リビオ(植生用ブロック)を使うことで、ガレージのアプローチ部分を緑化することができ、より外部空間との距離感が縮められたと思っています。
住まいと暮らしというテーマは日頃から大事にしている事柄のため、今回の受賞を励みに、今後も追求していきたいと思います。