建築家・伊礼氏より

４棟の小さな集落として、街との向き合い方にも配慮されていますが、向かい合う住宅の距離感、表情を生かすような外構のあり方がいい。植栽も立ち姿も美しく、高さも十分にあり、クライアントの「良い意志」を「つくり手」が受け継ぎ、良い結果を産んだと思います。

この度は優秀賞に選出頂き、驚きと共に非常に光栄に思います。
本件は、田であった土地の有効活用としてのご計画です。植物や生き物を愛する施主様はこの地に自然豊かな空間を希望されました。そこで、敷地の中心に「コモンガーデン」を計画し、その周りを取り囲む様にして4棟の建物を配棟して人々が集まる憩いのスペースとしました。コモンガーデンには「緑道」「植栽群」をバランス良く配し、適度な距離感を保ちながらコミュニケーションできる空間をデザインして、入居者のみならず地域の方々へも開いた場所となる様に工夫しております。今回、コモンガーデンの入口の門塀に‘パイルストーン’を採用させて頂いたことで、自然の風合いに馴染みながらも存在感のあるシンボルを実現する事ができました。
この受賞を励みに、周辺環境や街並みに貢献できる外構計画をこれからも多く残していきたいと思います。最後に、夏場の暑い気候の中、山採りの樹木を樹形に合わせて丁寧に植え込んで美しい自然景を創り上げて頂いた、現場の職方様、現場監督の方々に感謝したいと思います。