建築家・伊礼氏より

イタリアのパンテオンを思い起こさせるような中心のトップライトに心を奪われます。０歳から２歳までの幼児を預かる施設として、「内部に外部を抱く建築」の構成がこの施設のプログラムと一致して違和感なく受け止めることができました。

造園家・荻野氏より

子どもにとって庭は、五感を刺激してくれる最高の情操教育だと考えている。こども園や保育園は安全性を第一に考えられるが、緑がより近くに感じられる吹き抜けの中庭は、大変さもあるだろうが非常に可能性を感じて、その点を高く評価した。

ゴールド賞を受賞できて大変嬉しく思います。また、審査員の方々お選び頂きありがとうございます。感謝いたします。
中庭が建物内にあり、屋根がなく雨があたる環境だから安心という環境ではなく、風当たりや光の入り具合など自然環境とは違う部分も多く、更に建物の基礎に囲まれているという木々にとっては、過酷な環境であるので、完工してしばらくは木々がしっかりと生育するかは心配でした。
できる限りの対策をしようと施工に挑みました。
なるべく自然環境に近づけることを心掛けて、使う素材を枝葉など有機物も使いながら地形が安定しながらも空気と水が循環できるように意識しながら施工しました。そのために見えない土中部分にも敷葉工法を採用し、建築側と集水マスの位置や深さは綿密な打ち合わせをしました。
その結果今のところ、順調に木々は生育してくれています。
また、外構部分では、建築工事で周囲は車両や重機など土が締め固められて植栽やリビオブロックの芝生が育つか問題でした。
植栽に関しては、普段施工している土壌通気浸透水脈改善で対応しました。リビオブロック部分に関しては、車が乗る耐圧にも耐えながら芝生の生育環境を損わないように考慮しました。リビオの際に水脈を通し、リビオを据えた後、一つずつ真ん中部分にハンマードリルで穴を開け、空気と水の浸透性を高めるなど工夫しました。
今後も経過観察しながらメンテナンスを施していきたいと思います。