インタビューを読む
循環型社会を目指すために、
ウチとソトの常識を塗り替える。
Profile
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開発部門 取締役
増渕 和也
Masubuchi Kazuya
コンセプトをもとにしたユニークな商品開発で、
お客さまに驚きやワクワクを届けたいです。
天然資源を消費するビジネスから、
サーキュラーエコノミーへ。
私たちのつくるコンクリートブロックは工業製品として認識されやすいですが、実は天然資源である砂や砂利を原料としています。その一方で、世界的な潮流は、サステナブルやサーキュラーエコノミー(循環経済)という方向に進んでいます。つまり、これまでどおりに天然資源をたくさん使用することを前提としていては、ビジネスとして成り立たなくなるはず。それに、原料を採掘するために必要な鉱山の閉鎖は、実際に日本各地で進んでいます。そんな危機感がきっかけとなり、サーキュラーエコノミーの推進に取り組みはじめました。このような社会変化を悲観的にとらえる方もいるかもしれませんが、私たちはその逆です。「これからの暮らしで、なにが求められるのか?」といったことから考えはじめ、まったく新しい商品を開発するなど、未来に向けてワクワクするようなものづくりを進めています。
資源を有効活用するために、
産業廃棄物処理会社をグループ化。
サーキュラーエコノミーの推進に多角的に取り組んでいるユニソンですが、産業廃棄物処理会社をグループ化したことは画期的だと思います。廃棄物をリサイクルし、ブロックの材料として活用するにはどうしたらいいのか、どのように再処理すれば活用できるのか、研究しているところです。特に注目しているのが、これから廃棄物として排出されるようになるソーラーパネルです。今のところガラス部分は埋め立てられることが多いのですが、砂の代わりとしてコンクリート製品に活用できないかと考えています。しかし、リサイクル原料を使う場合には、意匠や品質が均一になるように注意しなくてはいけません。そんなときに意匠面で活躍するのが、特殊加工技術「Makeup Tect」です。原料の不均一さも包み込んで安定した意匠をつくることができる技術なので、さまざまな可能性を秘めています。この他にも、循環型ビジネスの共創コミュニティの運営や、社内での資源リサイクル、製造時のCO2削減など、さまざまな部署が循環型社会の実現のために動いています。
資源のサイクルを変えるとともに、
常識を変えるものづくりを。
今まで価値のない廃棄物として埋め立てられていたような素材に光をあて、手を加えることで、再び価値のあるものとして世の中に送り出す。この考え方は社会的に正しいと思います。でもそれが高価なものになってしまったら普及しません。エンドユーザーにとっては「今までどおり生活しているけれど、実はちゃんと資源が循環している」という状態が理想のはず。経済をまわしながら環境負荷をかけないというサーキュラーエコノミーの実現を目指しつつも、世の中の価値観から目をそらさないようにしたいです。ただし、その価値観も変えたい部分があります。日本では、過剰包装や過剰品質、行きすぎた規制など、あらゆるものが過剰になりがちです。その根底に新品至上主義があるのかもしれませんが、もともと日本には骨董品をめでる文化があります。安いものを次々に買い替えればいい価値観ではなく、時を経たことによる味わいを大切にする価値観をこれからのスタンダードにしたいですね。世の中の常識を変える必要があるので簡単ではありませんが、価値を再定義するような、新発想のものづくりへの挑戦をつづけます。
開発者 CROSS TALK
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